移動距離と引越し料金に関する深い話。距離と料金は比例しない!?
移動距離が長いと料金は高くなるのはなぜ?
その理由について解説します
引越しの料金も同様です。
私たちは、「距離が長くなる=料金が上がる」ということを感覚的に知っていますが、その理由まで深く考えたことはないのではないでしょうか?
ここでは移動距離と引越し料金の関係についてお伝えします。たとえ同じ移動距離でも、引越し会社によって反映される料金は違うのです。
【このページのポイント!】
※ここでは長距離引越しは含みません
・移転距離が料金に与える要素としては、実費と移動時間の2つがあります
・実費は高速道路代や燃料代。いずれも、それほどかさむものではありません
・重要なのは移動時間です
・同じ距離でも高速利用や渋滞時間で異なります
・地点間の移動を少なくするのが引越し会社の配車の肝です
「実費」と「時間」が引越し料金に影響を与えます
まず覚えて置きたいのは、標準的な単身引越しの所要時間
料金に影響を与える要素は、大きく分けて2つあります。
1つは実費。これは移動に伴う高速道路代や燃料代のことです。目に見える金額なのでわかりやすいですね。
もう1つは時間。移動距離が長ければその分時間もかかります。引越しはかかる時間によって料金が変わります。
関連ページ:引越し料金の内訳をまるはだか!引越し見積りの構成はこうなっている
そこで、あらかじめ覚えていただきたいことがあります。
引越し会社が考える単身者の標準的な引越し1件の所要時間です。これは、おおよそ150分〜180分程度で見積もられています。内訳のイメージとしては「積作業60分+移動40分+卸作業60分」です。この位の時間で料金を考え、これ以上の時間が発生することが予測される場合などに料金が調整されていくイメージです。
実費が料金に与える影響は大きくない
まずは高速道路代。例えば首都高速道路の通行料金は中型車の場合、310円〜1380円です。
※引越し会社の使う車両サイズは「中型車」がほとんどです。
参考:首都高速道路の料金
また、第三京浜や東関東自動車道、圏央道など関東の有料道路の通行料に関しても、数百円から千円台が大半となります。
参考:関東周辺の有料道路の料金
仮に「首都高+有料道路」という組み合わせであったとしても、せいぜい2,000円もかからないのが実際です。
次に燃料代。国土交通省が発表する自動車燃費一覧、トラックの燃費はおおよそ10km/リットルです。軽油の価格は100円/リットル程度(2017年時点のおおよその平均価格)。30kmの増加で300円となります。 参考:トラック車種別 燃費表(国土交通省)
ちなみに、運送業においては燃料費が事業全体の費用に占める割合は高いです。当たり前ですが、それだけトラックを走らせているということです。
しかし、引越しにおいては、移動よりは作業をしている時間のほうが圧倒的に長いです。そのため、引越し業は運送業に属しますが、売上高に対する燃料費比率はそう高くはありません。
参考:全日本トラック協会の経営分析 平成 23 年度決算版(全日本トラック協会)
移動距離が時間に与える影響
関連ページ:引越し料金の内訳をまるはだか!引越し見積りの構成はこうなっている
さて、移動距離は移動時間に比例しないこともあります。主な理由は2つあります。
・高速道路と一般道路の違い
当然、高速道路を長く走ったほうが移動時間は短くなります。
図のように、移動距離が長いのに移動時間は短くなるというケースもあります。
・渋滞状況
日頃車に乗る人はご存知かと思いますが、簡単に言うと朝は都心に向かう道路が混雑し、夕方は都心から離れる方向に道路が混雑します。電車の混雑と似たような状況が道路でも起きています。渋滞は移動時間を増やしますので、できるだけ避けたいところです。
移動時間は、道路交通状況によって、簡単に20分も30分も変わるものです。
同じ引越しでも、引越し会社によって移動時間の見積りが違う
移動時間をいかに減らせるかも引越し会社のスキルです
しかし、移動時間をいかに正確に予測できるか、いかに減らすことができるか、これも引越し会社の重要なスキルです。スキルが高いほど移動時間を短くできるので、引越し料金が安くなります。
正確な予測については、経験がものを言います。本来ならば30分で済むところを、多めに見積ってしまったり、保険をかけて多めに予測してしまったりするのは経験値が低い証拠です。それ以前に、渋滞や高速道路などを考慮せず、単純距離で料金計算をしている引越し会社があるのが実情です。
移動時間をいかに減らせるか?これには、「配車」が重要な要素となります。
朝の引越しは渋滞を外すように、郊外に向けて移動をする引越しを組んだり、引越し間の移動を極力短くするように配車を組んだりすることで、移動の効率性を上げることができます。
関連ページ:時間とお金で考える、自分らしい引越しメニュー(午前便、フリー便など)の選び方
配車効率は、一定のエリア内で多くの引越し案件を行うことで高めることができます。
しかし、大手企業は支店間で引越し予約を共有しませんので、効率性に限界があります。また、小規模事業者はそもそも案件が少ないため、効率を追求することに限界があります。
効率的な配車を実現するためには、営業との連動も欠かせません。
そのため、配車担当が、指定のエリア内の引越しが入れば移動効率が一気に高められると判断すれば、多少の値引きをしてもそのエリアの引越し案件を獲得するよう、営業担当にリクエストすることがあります。
まとめ
できる会社は移動時間が短い
移動距離は引越し料金に影響を与えますが、その多くは移動時間によるものです。
そして移動時間は、引越し会社のスキルと配車努力によって短くすることができます。
引越し会社選びの参考にしてください。
アップルの配車効率を高める取組
また、本社ですべての引越し予約を効率的に配車するセンターコントロール方式を採用しているため、高い配車効率を可能にしています。
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